TETSUYAです
「日本でも確固たる地位を確立したイタリアのソウルフード」といえばなにを思い浮かべますか?
多くの人はパスタと答えると思います。
いやいやピッツァでしょ。って方もいるとは思いますが、まあまあちょっと置いといて今日はパスタの話をしましょう。
イタリアンを志して早17年。パスタを作りたい!ってところから料理人人生が始まりました。
数えきれないほどフライパンを振り、毎日のように手打ちパスタを粉からネリネリしてましたね。
僕には切っても切れないパスタの存在ですが、いったい何種類あるんでしょうか?
他のサイトではよく「500種類以上」っとよく書いてありますね。
ほんとなの?って思うかもしれないですが、イタリアは20州それぞれに郷土料理が存在しており、パスタ自体もすでに郷土料理。同じ形状でも州によって名前が違う。ちょっと配合が違う。今現在でもどんどん新しいパスタが生まれているのでその数はもう無限かもしれません。
今回は皆さんもよく知ってるオーソドックスな物から「これもパスタなの?」というマイナーなものまで46種類、ご紹介していきたいと思います。
ご自身でパスタを1から作りたいって方はこちらの記事もどうぞ
- 1 とりあえず、大まかにパスタの種類は3種類
- 1.1 ロングパスタ
- 1.2 ショートパスタ
- 1.2.1 ペンネ penne
- 1.2.2 リガトーニ rigatoni
- 1.2.3 オレキエッテ orecchiette
- 1.2.4 トロフィエ trofie
- 1.2.5 ファルファッレ farfalle
- 1.2.6 コンキリエ conchiglie
- 1.2.7 ガルガネッリ garganelli
- 1.2.8 フジッリ fugilli
- 1.2.9 ニョッキ gnocchi
- 1.2.10 コルッツェッティ corzetti
- 1.2.11 リゾーニ risoni
- 1.2.12 ルマーケ lumache
- 1.2.13 パッケリ paccheri
- 1.2.14 カラマラータ Calamarata
- 1.2.15 ニョケッティ サルディ gnocchetti sardi
- 1.2.16 マルタリアーティ maltagliati
- 1.2.17 ストラッチ Stracci
- 1.2.18 ロリギッタス Lorighittas
- 1.2.19 カバテッリ Cavatelli
- 1.2.20 カサレッチ casarecce
- 1.2.21 ストロッツァプレーティ strozzapreti
- 1.2.22 クスクス couscous
- 1.2.23 フレーゴラ fregora
- 1.3 詰め物パスタ
- 2 パスタの種類まとめ
とりあえず、大まかにパスタの種類は3種類
- ロングパスタ
- ショートパスタ
- 詰め物パスタ
大まかに分けると上記の3種類に分けられます。
ここからさらに細分化されて、イタリア全土、もしくは世界各国で数えきれないほどのパスタの種類になるんです。
それではこの3種類を細分化して紹介していきます。
ロングパスタ
スパゲッティ spaghetti
語源『細い紐』
何のソースでも合わせやすいのがスパゲッティ。日本では最もポピュラーなパスタのひとつで、家庭でも一番よく使われるのがこのパスタですね。
一般的な太さは直径1.6mm~1.9mm前後、長さは25cmくらいで断面は丸い形をしています。
フェデリーニ fedelini
語源『糸』
直径1.4mm前後の細いパスタでオイル系のさっぱりとしたソースによく使われます。
また冷製パスタにも丁度いい太さのパスタです。
リングイネ linguine
語源『舌』
断面が楕円形のパスタでもちもちとしたパスタです。
ジェノベーゼソースなど味のしかっりとしたソースと相性がいいです。
ブカティーニ bucatini
語源『小さい穴』
ソースがよく絡むように真ん中に小さな穴が開いているパスタです。
アマトリチャーナ(パンチェッタのトマトソース)とブカティーニを合わせて食べるのがアマトリーチェ地方では伝統的です。
タリオリーニ tagliolini
厚さ1mm幅2~3mmの細い平打ちパスタです。
重めのソースからさっぱりしたものまで幅広い分野で用いられます。
ピエモンテのアルバではタヤリンと呼ばれます。タヤリンの場合は卵黄のみで生地を作るのでタリオリーニに比べ、コシが強いの特徴的です。
タリアテッレ tagliatelle
厚さ1mm幅8mmで細長いリボン状のパスタです。
ボローニャではミートソースで食べるのが定番となっています。
またクリームソースなど重めのソースと相性がいいです。
キタッラ chitarra
語源『ギター』
ピアノ線が貼ってあるキタッラというパスタ専用器具で伸ばした生地を粘棒で押し出すように作ります。
アブルッツォ発祥のパスタで断面は3mm程度の四角いパスタで、仔羊を煮込んだソースと合わせるのが伝統的です。
ビゴリ bigoli
トルッキオというパスタ専用器具でまとめた生地を穴に入れ、ハンドルをくるくると回しながら押し出すように作られます。
無理やり押し出すように作るのでパスタがギザギザになりソースがよく絡むようになります。
ロンバルディア発祥のパスタではじめはそば粉を使用して作られていましたが現在は全粒粉が使用されることが多いです。
パッパルデッレ pappardelle
トスカーナでよく用いられるパスタで幅広いリボン状のパスタです。
タリアッテレよりも太く幅は20~30mmほどあり肉を使った重めのソースと相性が良いです。
カペッリーニ capellini
語源『髪の毛』
直径0.9~1.0mm位の非常に細く、パスタの中では一番細いです。
主に冷製パスタやスープの浮き身などで使うのが一般的です。
ピチ pici
トスカーナ発祥のパスタで日本のうどんによく似ています。
通常は小麦粉と水だけで作りますが卵を加えるところもあります。
トスカーナの山沿いの方でよく作られる為、イノシシやウサギ、ポルチーニなど山の幸を使ったソースと一緒に食べるのが一般的です。
シャラティエッリ scialatielli
カンパーニャのアマルフィ地方の伝統的なパスタ。形は太目の短冊型、バジルを練りこむのが一般的です。たっぷりの魚介類と一緒に合わせるのが一般的です。
トンナレッリ tonnarelli
ローマ地方発祥の断面が正方形のパスタです。ローマではカーチョ・エ・ぺぺはトンナレッリを使用します。
「本気でパスタを勉強したい!」って方はこちらの本が超絶オススメ!
ショートパスタ
ペンネ penne
語源『ペン』
短い筒状で中心に穴が開いており、先が尖った形をしています。
カンパニアやシチリアで使われることが多く、代表的なものは辛めに作られたトマトソースと合わせるペンネ・アラビアータがあります。
また表面に細かいみぞがあるものは『ペンネリガーテ』といい、ソースがよく絡むようになっています。
リガトーニ rigatoni
周りには筋状の溝があり短い環状で中心に大きな穴が開いています。
肉を使った重めのみーとソースやチーズを使ったソースが相性が良いです
オレキエッテ orecchiette
語源『小さな耳たぶ』
その名の通り耳たぶの様にくぼみのある丸く形状をしています。
プーリア州の代表的なパスタでブロッコリーをクタクタに煮たソースで食べるのが一般的です
トロフィエ trofie
語源『トロフィー』
一個が2gくらいの小さなパスタで少しねじりの入ったショートパスタです。
リグーリア州ジェノバ地方発祥のパスタでペストジェノベーゼ(バジリコを使ったソース)と合わせるのがこの地方の決まりです。
小指のつけねあたりから手首の方に斜めに押しながらくるくると巻くように作ります。
ファルファッレ farfalle
語源『蝶』
蝶ネクタイのような形状をしておりイタリアでは鶏肉と一緒に売られています。
クリームソースやトマトソースと相性が良く、サラダなどに使うこともあります
コンキリエ conchiglie
語源『貝殻』
その形状を生かして、コンキリエの中に小さな具が入るような料理法を取ることが多いです。
ファルファッレ同様、サラダなどに使うこともあります。
ガルガネッリ garganelli
語源『鶏の首』
エミリア・ロマーニャ発祥のパスタで四角い生地を棒に巻き付け、ペッティーネという専用の道具で筋をつけながら巻いて作ります。形状はペンネに似ていますがこちらの方が生地が薄くゆで時間も短いです。
クリームソースやミートソースなど重めのソースが相性が良いです。
フジッリ fugilli
螺旋状にくるくると巻いてあるショートパスタでソースがよく絡むように作られています。
日本ではカールマカロニなどと呼ばれています。
ニョッキ gnocchi
ジャガイモと小麦粉を混ぜてつくられる団子状のパスタです。
ジャガイモのほかにもカボチャやホウレン草などでも作られます。
クリームやトマトソースなどのソースが相性が良いです。
コルッツェッティ corzetti
リグーリア州発祥のパスタで、直径5cmほどの薄い円形のパスタで専用のスタンプの様な器具で作られます。
スタンプ一つ一つ模様が異なっているため様々な模様が楽しめます。
リゾーニ risoni
米の形をしたパスタでサラダやスープに使われるのが一般的です。
またその形状からリゾットの代わりに使えわれることもあります。
ルマーケ lumache
語源「カタツムリ」
カタツムリの殻のようにくるっとまかれたような形をしています。サラダや煮込み系のソースでよく食べられています。
パッケリ paccheri
乾燥した状態では大きな筒状ですが、茹でるとぺちゃんこになります。もちもち食感が楽しいパスタです。肉系のラグーソースと相性が良いです。
カラマラータ Calamarata
語源「イカ」
ナポリ発祥のパスタ。小さなリングで、イカリングの様な形をしているのでそうなずけられたそうです。
ニョケッティ サルディ gnocchetti sardi
サルデーニャ島発祥のパスタ。小さなニョッキとされていますがサルデーニャではジャガイモは使用しないのが一般的です。
マルタリアーティ maltagliati
不ぞろいにカットされたパスタ。マルケではひよこ豆と一緒に煮込んで食べる庶民の主食的存在のパスタです。
ストラッチ Stracci
語源「布切れ」シート状に伸ばされた生地を四角くカットしたもの。
ロリギッタス Lorighittas
語源「リング」
サルデーニャの伝統的なパスタです。
ひも状の麺を指に2周させてさらにグリっとねじったパスタ。
カバテッリ Cavatelli
プーリアではオレキエッテと並ぶ有名なパスタです。生地は卵を使わず練り、小さな玉を2本の指でこすりつけるように作ります。
カサレッチ casarecce
断面がSの文字に様になっているパスタです。溝が深いのでソースがよく絡むようになています。
ストロッツァプレーティ strozzapreti
2mmの平たい麺を両端からくるくる丸めたようなパスタです。長いねじの様な形状をしています。
クスクス couscous
シチリアのトラーパニ地方でよく食べられている世界最小のパスタです。つぶが小さいので茹でずに蒸して使われます。
フレーゴラ fregora
サルディーニャの小粒のパスタです。クスクスよりは大きく粉と水を少しずつませながら、すり鉢の中で転がしながら作ります。新鮮な魚介と一緒に煮込んで食べるパスタです。
詰め物パスタ
ラヴィオリ ravioli
詰め物パスタの総称です。
2枚の生地の間にひき肉や野菜、チーズなどを挟み、四角く切り分けたものです。
カッペレッティ cappelletti (トルテッリーニ tortelini)
『小さな帽子』という語源
ボローニャより東側のロマーニャ地方ではカペレッティ、西側のエミリア地方ではトルテリーニと呼ばれています。違いはほとんどありませんがカペレッティよりトルテリーニの方が中身の肉が少し多いようです。理由はエミリア地方の方が裕福だったので中身も豪華というわけです。
カペレッティ鶏からとったスープに浮かべて食べるのがこの地方の伝統的な食べ方です。
アニョロッティ agnolotti
ピエモンテ発祥のパスタでクリスマスやお祭りの次の日に食べるのが伝統です。
豪勢な料理の余った肉などをミンチにしてパスタに詰めて食べていたのが始まり。
カネロニ cannelloni
大型の筒状のパスタで中にひき肉などを詰めてオーブンで焼くものが一般的です。
トマトソースとベシャメルソース2種類のソースを使うのが伝統的です。
チャルソンス cjalsons
フリウリヴェネッチア・ジュリア発祥のパスタで餃子のような形状をしています。
シナモンや砂糖、レモンなどを使ったデザートの様に甘いパスタです。
ファゴッティーニ fagottini
ピラミッドのように三角形の詰め物パスタ。野菜とリコッタチーズを詰めるのが一般的です。
トロンケッティ
語源「切り株」
具材をシート状のパスタでぐるぐる巻き、切り株の様な断面にしたものです。
クルルジョネス Culurgiones
ラビオリの一種で独特な形をしたもちもちっとしたパスタ。
地方によって具材は異なりますが一般的にはジャガイモやペコリーノチーズ、ミントなどを包んで作ります。
ソースはトマトソースやセージバターソースなどでシンプルに作ることが多いです。
パスタの種類まとめ
いかがでしたか?自分の知らないパスタはありましたか?
まだまだここで紹介したパスタもほんの一部です。日本のイタリアンでも最近は珍しいパスタを出すお店が多くなったように思います。
メニューを見てパスタの種類がわかるとさらにイタリアンを楽しめますね。
「パスタをもっと知りたい!」って方はこちらのパスタ本を強くおすすめします! パスタの種類に関してはこれ以上の本はないです。